人が学ぶということ

人が学ぶということ―認知学習論からの視点

人が学ぶということ―認知学習論からの視点

非常勤講師の削減に伴い,来年度から「認知科学」を担当することになった。自分が何でも屋としか思えない・・・。それはおいといて,私にしては珍しく,何かテキストを準備しようと考えている。これは「認知学習論」の本。この分野から学習はどういうことかについて書かれている。語学,機械と人間の比較,赤ちゃんの学び,IT活用など。語り口が非常に分かりやすく,オススメできる。p213からの総合的学習に関する考察(これは社会的文脈にうめこまれた学習の章に書かれている)は非常に納得できた。

長期的な目標を持たず,きちんとした課題分析をせずに行き当たりばったりで子どもの興味をひくテーマを細切れに与えても,生きる力も問題解決能力も,それに必要な基礎知識,技能も何も身につかない,ということを認識しなければならない。(一部引用)

まったくそのとおり。様々な機関による長期的なカリキュラムの共同開発の必要性を訴えている。本来は大学が関わるべき事項だと思う(とくに教育学部)。
内容は面白いが,さて,これを認知科学に使うかどうかは考える必要がある。重なる部分は多いが,それ以外の部分もあるし・・・。自分の専門からすればこの本を使うのが最適であるが,それでよいものかどうか。
認知科学学会が「認知科学とは」について書いているのを発見した。「教育工学」は学会内のHPにあったっけ?