明日の教師を育てる

明日の教師を育てる―インターネットを活用した新しい教員養成

明日の教師を育てる―インターネットを活用した新しい教員養成

副題にあるように,教員養成における教職の授業において,インターネットを活用した実践のデザインと効果についてまとめた本である。ただインターネットを活用したのではなく,そこでの交流(たとえば学部生と現職の教員など)を意図した実践のデザインとなっているところが特徴であると思うし,評価される点である。
この本には私にはないものがある。それは「体系性」。何年も精緻な実践研究のデザインを練り上げ,丹念に実証していく形は,研究者として見習わないといけないなあと思った。内容は大体分かっていたので,教員養成の現状であるとかそのほかのインターネットを活用した諸外国の動向などが整理されていて勉強になった。
大体この分野は,わが国では実践する側は(教員養成GPに多く見られるように)ただの経験を増やした実践の重視に終わっており,インターネットの活用や研究としての学会誌論文に興味を示していないように見える。そういう意味では,教員養成や教師教育に関する研究分野に一石を投じているように思える。