認知カウンセリングから見た学習方法の相談と指導

認知カウンセリングから見た学習方法の相談と指導

認知カウンセリングから見た学習方法の相談と指導

勉強の仕方がわからない子どもに,個別に面接・相談・指導をすることで,その改善を図ることを試みている。4つの事例研究(漢字,英語など)が紹介され,それに基づき関連分野の研究者がコメントそしてまたそれに対して折り返す形で本書での議論が進められている。
読んでいて真摯に問題に向き合っているという点で好感をもった。事例研究に対する後半のコメントは非常に鋭く,ときに厳しい(松下論文は特に勉強になる)。教育心理学も本当に教育実践に生かされているかが問われているそうである。それに対して,ひとつの実践的な回答を記した書でもあると思う。
このような実践がもっと蓄積されていってもよいのにな,と思う。どうしても集団イベント的な実践になりがちな世の中で,地に足付いた実践を提供してくれる書だ。