Mid-Pacific Institute訪問

午前中ミッドパシフィック学院という大学の近くの学校を訪問した。K12の私学の一貫校で有名な学校。8月の教育メディア学会に行った際、久保田先生に連れて行っていただいたので、その訪問記が同学会の通信として、今後webにも掲載されると思う。ただ、今回は大学の別の先生に紹介してもらい、私の希望ということで初等教育を訪問させてもらった。以下、その時のメモ。順番むちゃくちゃです。間違いがある可能性が大いにあり。

  • Schoos of the Future というグラントを2009年から2014年にかけて得ている。本年度は2年目。総額は5ミリオンドル。18スクールが参加をしている。グラントを管理するのは校長の重要な仕事の一つ(あとは教員の評価と採用)。10いくつのものがあると聞いた。
  • すべての先生がブロクを書いている。学校のウェブページで公開されている。1週間に一度金曜日までがマスト。土曜日に校長がチェックする。これは保護者に伝えるのに役立っている。それだけではなく,教師同士の情報交換にもなる。
  • 子どもは264人。学年はプリスクールが2年間,kindergardenが1年間でelementaryが5年生まで。ミドルが3年間,ハイスクールが4年間。
  • プリスクールはRaggio Emiliaという教育方法を採用している。これはイタリアからきている。後で調べたところによると日本でも関連書籍がいくつか出ており、それを採用している保育もあるとのこと。芸術性やそこから起こる深い思考を重視しているような教育のようだ。作った作品、あるいはものを見て感じたことを教師とのコミュニケーションにより、深く考えさせることにつなげる、というようなイメージ。
  • クラス数はPre2(先生は7名),Kindergadenが2,1年生と2年生が一緒で4クラス,3年生と4年生が一緒で4クラス。5年生は2クラス。子どもはひとクラス20名。
  • 各教室に6台のコンピュータ(マック),1台のスマートボード,プロジェクタによる投影。
  • 教科は,Reading, Writing, Social Science, Math, Science, Physical Education, Music, Art, Character Educationがある。Character Educationは週に2回。内容を聞いたところ、日本でいう道徳+自己表現のようなものだと個人的には思った。
  • 小学校の先生は,多くの教科を担当するが、Physical Education, Music, Art, Character Educationについては専科の先生がいるということ。
  • ITに関する人材は全キャンパスで4名。ひとりは小学校の部屋にいた。
  • 子どもはクラスに20名。ポートフォリオを活用していて,1月がまとめの月になるようだ。デジタルポートフォリオには来年から移行するとのこと。
  • 先生の全体会議は1ヶ月に2回。学年団の会議は週1か2。ランチの時間に本を読んできたものについて,議論をしているそうだ。よんでいたのは,Comprehension and Collaboration: Inquiry Circles in Action (harvey danielsら)。この本を高く評価していた。
  • 小学校では中・高で行われているようなProblem Based Learningというよりはむしろ,Inquiry Learningだと言っていた。元になる考え方は同じであるけれど(デューイとか),後者のほうが教師の指導性が強いものだと思われる(とは言え,一斉指導よりは堅くない指導法)。より子どもに考えさせる発問であるとかが追求されているようなイメージを受けた。
  • 小学校のタイムテーブル。7時半までにみんな来る。7時40分に始まる。2時30分に終わる。ここから6時までafter school programというのがある。大学生が来てくれて,宿題などのアドバイスをしてくれる他,日本語やダンスなどのプログラムがあるそうだ。
  • 一方,先生は7時から7時15分の間に来て,15時まではいなければいけない。その後は拘束されない。日本の現状を言うと,unblievable とのこと。
  • 学費は年に17000ドル。収入などを考えるともちろん誰でも来れるような学校ではない。やはりお金が必要。
  • 見学は,preからひと通り行った。音楽のクラスでは,クリスマスの合奏の練習の様子。外で運動しているところが多かった。幼稚園は長大の附属で見たものと同じような感じであった。charactor Educationのクラスでは,自分たちが書いた絵を持ってきて車座になりながら,何の絵なのかについて発表をしていた。リーディングのクラスでは読んだ本についてまとめていた。寝て本を読んでいる子どもがいたのが印象的。これはポートフォリオが作られていて,ルーブリックも用意されていた。算数のクラスも見た。5年生だったと思うが,何かの文章題が出されていた。割り算等を行っていたように思う。
  • 低学年だったと思うが,掲示物の写真が印象的であった。波や木を飛ばし,その瞬間を撮影する。それについてどう思うかなどを問いかけるのだという。
  • プリスクールでは子どもが外で石のブロックのふちに色を塗っている様子を先生がビデオで撮影していた。これもあとで子ども自身に問うためのものなのだろう。
  • preスクールの校舎が面白かった。ふたつのクラスルームをつなぐのは,artの部屋。あと,はなれにartとcharacterの建物があった。
  • 教室は日本と違ってどこを見ても面白い。「学習環境」を設計していると思う。黒上先生@関西大学に連れていってもらったオーストラリアの学校のようだった。ただし,オーストラリアの方がthinking toolなどの使い方はとてもしっかりしているように感じる。
  • artとcharacterはTTを組んでやることも多いのだという。
  • スマートボードは全教室に設置されていたが,利用はされなかった。この人数で,inqury-basedで進めているのなら,必要ないだろうという気がした。
  • 教科書は用意していない。ワークブックのみ。カリキュラムは学年団の教師で打ち合わせている。