iPadを活用し,キュレーターの立場から考える美術の鑑賞

先週末,旭川にて行われた視聴覚放送教育全国大会に参加した。いくつか分科会が開催されるのだが,私は「ICT活用」として,中学校での指導助言者役として呼ばれた。授業は美術で,鑑賞に関する授業を参観した。
「想像美術館を作ろう」と題されたこの授業は,数多くある絵の中から,ひとつのテーマを決めて絵を10枚選択させた。さらに仮想美術館の中にどのような順番で絵を配置するかも考えさせている。鑑賞といえば,絵を分析的に見る授業になるが,よりアクティブに美術館のキュレーター的立場から,ひとに見せることを考えて絵を選択させるのである。絵の選択や配置にiPadを活用させていた。3名程度のグループで,ひとつのiPadをみて話しながら絵を選択していた。
最近個別端末の活用はいたるところで議論されていたが,無理のない理にかなった活用で,授業デザイン自体も大変興味深いものであった。実際にこれを通して絵や美術館の見方が変わるところまでいけば,さらにおもしろいと思った。
授業は,実践者の吉野先生を中心に数名の先生方で議論をしながら練りあったものだそうだ。実に面白く,遠く旭川まで足を運んだかいがあった。