教育方法・技術論(関西大学)のシラバス

来年度4月より,非常勤先の関西大学の総合情報学部において標記の授業を実施する予定である。3年目にはいる。教職課程の授業である。前年度のものを参考にしながら,本日シラバスを完成させた。「適切に知識や技術をどう教えるか」というのと総合的学習のような「学びの場をいかに設計するか」というのをどうデザインしていくか,情報科の教職をとろうとする学生にはどちらも必要であると考えたので,以下のような授業を構想している。悩みの種は実は後者であり,9回目から12回目のデザインに関しては課題を持ち続けている。さまざまな方からご意見をうかがえると幸いです。

(講義概要)
教育の方法や授業の技術は教師の教育観や授業システムに応じて変化する。教師は、カリキュラムを構想し授業を行うときに、子どもの状況に合わせて授業システムを構成し、指導する。 本講義では、授業システムやカリキュラムの基本概念を学び、授業を実際にデザインすることで、それらの概念について考える。授業については、知識・技術の習得に中心をおいた学習、また学習者が主体的に問題解決を行う学習の両者の側面からとらえていく。これは現在の重要な教育課題であり、かつ情報科教員として必要不可欠な視点である。

(講義計画)
授業は、前時のコメント概説、講義、ビデオ視聴やグループ作業等で構成される。
1 オリエンテーション
(これまでの授業の経験から、教育方法や技術を考える)
2 授業システム(1)
3 授業システム(2)
(授業目標や指導方法、学習形態、評価など、授業を構成する要素について概説する)
4 学習指導方法の選択基準
(授業の目標に沿った学習指導方法について概説する)
5 授業設計(1)
6 授業設計(2)
7 授業設計(3)
(実際に授業目標を立て、それを教授するための方法を考察する)
8 授業設計に関する課題の相互評価
9 総合的学習の事例研究(1)
10 総合的学習の事例研究(2)
(授業例をビデオ視聴し、教師の意図などを検討する)
11 総合的学習のカリキュラムデザイン(1)
12 総合的学習のカリキュラムデザイン(2)
(グループで学習のテーマを設定し、実際の授業をデザインする)
13 学力と評価
(学力の定義と範囲、それに準じた評価の方法を考える)

(評価方法)
授業への参加貢献(授業に関するコメント,授業内課題,掲示板への投稿など)(40%)
課題・レポート(2回程度)(60%)

(参考書)
片上宗二・木原俊行 『新しい学びをひらく総合学習』 (ミネルヴァ書房) 2001
鈴木克明 『教材設計マニュアル』 (北大路書房) 2002
長野正 『授業の方法と技術』 (玉川大学出版部) 2001
黒上晴夫(監訳) 『総合カリキュラム』 (日本文教出版) 1999
水越敏行 『メディアとコミュニケーションの教育』 (日本文教出版) 2001