メディア文化を読み解く技法

手にとってから,著者の半分以上が知っている方だということに気がついた。こういう研究をされてたんですねぇ。それこそ「メディア文化」を読み解いているのだが,その対象が実に広い。アニメ,コミュニティFM,整形,漫画を通した女子マネージャーなど。その読み解き方は必ずしも統一されたものはないけれども,何らかの理論的枠組み(たとえばジェンダーに関するものなど)がある点は「研究」であるから当然として共通している。分析対象となるデータがわれわれの世界ではまずありえない(たとえば雑誌上での評価など)のがとても印象に残った。ある部分では参考となり,ある部分では興味深く読むことが出来た。しかし,私のゼミならこのアプローチは推奨しないだろう。授業であれば面白いと思う。同種の本が私にとっては難解なものばかりなので,読むことができてよかった。