わかったつもり

わかったつもり 読解力がつかない本当の原因 (光文社新書)

わかったつもり 読解力がつかない本当の原因 (光文社新書)

読解力というのが注目を集めている。一連の学力調査から,「理数系の学力の低下」が盛んに報じ,論じられているが,本当のところはさまざまな議論がなされている。その一方,PISAによる読解力の低下の結果のほうが実は深刻だろうということが論じられるようになってきた。本書が出たのもそういうことが背景になっているのだろう。
本書は国語教材(しかも小学生レベルの!)を中心に,「読んでわかる」という心理学的なメカニズムを理論上からわかりやすく解説している。「わからない」よりも「わかったつもり」が危険なのだという。最後にはそういう見地からセンター試験の設問を検討していたりしていて面白い。「深い読み」というのはどういうことかわかったし,自身は「わかったつもり」だけだよなあ,と反省した。まあ,本書を読んで「わかったつもり」になっているだけだろう。来年度の授業で1,2コマは使えそう。
著者の以下の本もかつて読んだが,こちらも参考になる。もう一度読み直してみよう。
間違いだらけの学習論―なぜ勉強が身につかないか

間違いだらけの学習論―なぜ勉強が身につかないか