認知と学習の心理学

認知と学習の心理学―知の現場からの学びのガイド (心理学の世界 教養編)

認知心理学や認知科学の重要な知見について，著者のエピソードを元に紹介してくれている。「エピソード」であるから，体系だったものではない。たとえば，記憶の衰えのこと，コンピュータのゲームで遊ぶこと，ブログを書くことなど（著者のブログはとても興味深い）から学問的な知見へつなげている。
とても楽しく読むことができる。学生さんなど初めての人を対象にした本であるが，著者は大学教員であるので同業者（「同業者」とするとあまりに違いすぎて失礼ではあるが・・・）として楽しく読めた。
こういう入門書をわかりやすく，かつ平易に書くというのは，プロの仕事だと思う。研究者人生の中で，自分の研究分野でそのような本を書くことができれば，と思う。