教員として研究者として(ICT活用にかかわる特別講義を受けて)

このサイトでも触れているように,金曜日の夜6時からSCSを活用した教育工学特別講義を受講している。今回の講義は高橋さん@富山大の「初等・中等教育におけるICTを活用した学習指導の効果」であった。
国内外の豊富な具体事例を写真や動画で紹介しながら,日本の政策の現状,そして自身が学会等で発表された研究成果をわかりやすくまとめてくださり,かなり貴重な講義であった。このように全国の第一線で活躍されている方の授業を遠く九州で聞けるのは,非常にありがたいなと思った。
ところで,ICT活用に関する効果や検証方法について,従来から聞かれそうな質問が多く出た。それにはICT活用を否定的にとらえるものもある(長崎からも・・・申し訳なく思った)。おそらく高橋さんは長らくそのようなコメントを受け続けてきたに違いない。それも認識したうえで,研究の成果の性格を考え,できるだけ精緻な評価研究を試み,積極的に発信し,次へつなげようとする姿勢に,心打たれた。
僕は,教育におけるICT活用について勉強できる場を学部,大学院ともに入れる努力をしてきた。実現の途上にあるが,それでも内部での理解が進まない。また,他の仕事(ICTとは関係ないが)ではある実践の評価を求められる機会があるのだけれど,話の進め方にかなり無理があってイライラしているものもある。
ベストを尽くすことを忘れていないか。相手に伝わる表現を忘れていないか。先のことを考えて行動しているか。大学教員,研究者として考えさせられることが多かった。