教員養成学部における「教育におけるICT活用」への対応(その1?)

自分が今の職場でできればと思っていることの一つに,大学教育において「ICT活用に関する教育」の授業をしたり,将来的に現場に出た時に取り組める教員を養成することがある。
自分の研究分野を見てみると,研究実績のある人でも学生を持っていない人も多く,教員養成系に所属していないことも多い。教育工学の研究者というのは,今日,教員養成系では実践センターが一応所属しやすいところにはなっているが,必ずしもすべての大学にいるわけではなく,むしろ少ないほうである。免許法のこともあるので,正直,今後このような状況が変わるとは考えにくい。このような状況下でできることをやっていく必要がある。
長崎大学教育学部では,「教育におけるICT活用」への取り組みを進めるため,この春,学生募集の面からすると,2つの点でカリキュラム改革がなされた。
一つ目は,小学校教育コースの中に,ICT活用実践専攻を設けたこと。新たな専攻を4つ設けたうちの一つがICT活用にかかわるものである。この春,30名弱の学生が所属することになった。彼らは小学校免許の取得が必須とされる。その中で,ICT活用に関する講義も受ける。
二つ目は,大学院教職実践専攻(いわゆる教職大学院)の中に,「理科・ICT教育実践コース」を設けたことにある。ここでは理科教育において手段の一つとしてICT活用を実践できる人間を育成することが目的となっている。
自分としては,始まったばかりで当然,納得いかない点もある。また,学生にはもちろん,ICTへの理解が学部内の教員にすら浸透していない。でも,このような状況下において,やれることをやっていくのが自分の仕事であると考えている。