デジタルネイティブが世界を変える

デジタルネイティブが世界を変える

デジタルネイティブが世界を変える

昨年NHKスペシャルでもデジタルネイティブに関する話題が取り上げられた。デジタルネイティブとはネットなどはじめとしてさまざまなデジタルツールを駆使することができる世代。本書では,13歳から20歳の若者1750名へのインタビューがデータのもととなっている。本書はこの世代がどのような特徴を持ち,彼らがどのような考えを持っているのかについて様々な側面から触れていく。そのスタンスは肯定的なものである。
良さを肯定的な方向でとらえると,確かに大きな可能性がある世代であるように思うし,その世代のことも考えたうえで社会というのはデザインされてしかるべきだと思う。一方で,これって本当に世代を代表しているのか?という疑問もまだある。実際にこれらの世代の人に教えることもあったりするのだけれど,少し違う気もする。日本文化はまた違う側面を持つ,というのもあるだろう。どうやら肯定的なことばかりも考えられなさそうだ。
ただ,デジタルネイティブの良い側面をもっととらえて,新しい観点からの教育や価値観については考えていかないといけないのではないかと思った。そのような意味では,今後の在り方を提案する好著になっているといえるのではないか。