顧客は誰か

新年度に入り,はじめての教授会があった。学部長がかわった。附属校園の校園長は学部の教授が担当するシステムも変更となった。代わりに副学部長がひとり増えた。状況がどんどん変わってくる。
どの組織もそうであるが,常に改善を迫られている。ところが改善と言ってもいろんな方向があるから充分に検討されることになる。それを制限された時間内に行わなくてはならない。難しい問題だ。
最近,ある先生におすすめされて,以下の本を読んだ。(流石に電車の中では読めなかったけれど。)

「顧客」を考えるのが第一歩だそうだ。大学にとっての顧客は誰か。まず第一に入学してくる学生だ。学生がより成長し,社会に出ていくためにはどうすれば良いのか,そのことを中心に考えるという当たり前の事をしなければいけない。とりあえず自分たちの手でできるのは今いる学生を伸ばして,いい形で社会に送り出すことである。その際は,どのような力をつけるかを明確にして良く必要があるだろう。「〜力」「〜リテラシー」という言葉が氾濫しているが,宣伝としてキーワードを出していくのはわかるが,その中身は何かもアピールする必要があろう。
逆に言えば,受験生にとっては大学のそういうメッセージを分析的に見る必要があるだろう。彼らを指導する教員もまた,表層的なものにとらわれてはいけないように思う。
また,「顧客」が学生だけなのかどうかもまた,考えなければいけない。その際に「研究」につながるかどうか。これもまた難しい問題だ。