教員養成学部における「教育におけるICT活用」への対応(その2)

めでたく「その2」を書くことになった。今回は教員組織の話である。
ひとりの教員でやることは限られている。ICT活用の普及は,学内すべての同意を得られればもちろん問題ないけれど,多くの問題と同様,それは無理である(断言)。できるだけ関われる教員を増やしていくことが必要である。ただ,特に私学のようにきわめて分野の近い教員を数人配置することはできない。となると,情報にかかわりながらも少しずつ専門性の異なる人間が必要とされるし,実際にこれは授業上もいたほうがよいように思う。
うちの場合は,情報科の免許のための教員(これは募集停止となったゼロ免の「情報メディアコース」も担当していた)が今も授業を担当しているので,かかわりの中心となるのはこの教員となる。
学問分野に近いところから行けば,まず私は情報の免許の中でもマルチメディア表現などにかかわる立場であるが,そのうち教育方法もやるようになった。だから,そのままICTを活用した教育にかかわることを教えるようになる。
その次に同じ学会に所属する藤木教授がいる。藤木先生の研究は幅広いが,学内では主として技術科教育を担当されている。技術科の中には現行の指導要領では「情報とコンピュータ」もあるので,具体的な内容も教えられる。
このほかには主としてシステム開発を研究されている先生が,教材開発について,情報検索技術を専門分野とする先生がおられ,いずれも工学部出身であるが,情報免許ではシステムやネットワークの授業を担当されている。ICT活用で行けば,教材開発や校務などとの関連を担当されることを想定している。
また,理科や数学で情報メディアコースとかかわりをもつ先生方がおられ,教科教育との接点もある。教育学部の強みだ。このほかに各教科の教育法等で,ICT等とかかわりをもっていただける教員が増えると,さらに今の方向性を拡大していけるのではないかと考えている。理想は各教科教育法でICTに関して1時間ほど教えることができるようなメンバーがそろえば良いかなと思う。「教科」でのICT活用がカギだと考えている。