授業を見る視点

最近,自分の講義や校内研究などにおいて教育方法の視点から見たり,コメントしたりする際に,自身の知識不足を感じることがなる。
先日,ある学校の公開研究会で社会科の授業を見た。同じ授業をたまたまご覧になっていた同分野の研究者と授業後お話ししたところ,「社会科として〜」とか「総合として〜」とかという話になった。僕は総合的な学習に関してやメディアの活用に関してはある程度勉強している(いや,それでもわかっていないといわれると仕方ないが)と思うが,教科の視点がよくわからない。それも勉強をしていないから当たり前のことであるけれど。
一方,講義において概論は説明できるのであるが,教科に落とし込んだ具体事例となると引き出しを持っていない。もちろんこれも,「たとえば○○科教育法で〜のようなものが紹介されると思いますけれど」という説明で補っているつもりだが(これもまた,本当に○○科教育法で取り上げているかどうか知らない)。
もちろん,すべてのことに精通するのは無理だと思うけれど,背景知識は多様なほうが望ましい。その教科の主要な理論や教授方法などに精通できるようになればと思う。それで,自分の専門をさらに充実させたい。
教育学部にいる自分であれば,少しずつではあるが,できることだと思っている。
よく考えれば,自分の指導教授は教育方法の立場から,理科や社会科の授業評価,授業研究に関する本を多数出版している。いずれも昔の著書ばかりであるが,改めて感心させられる。もちろん,それは多くの研究者や学校教師との連携による成果だというのも忘れてはならないだろう。