教職実践演習で「教師としての使命感や責任感,教育的愛情等」を扱う

 本年度からうちの大学では,4年生対象の「教職実践演習」がスタートした。この詳細な説明は文科省のページに詳しいが,うちの学部では,下記の4項目をそれぞれ3回ずつ分担して行うという方針となり,私は?を担当するように,そしてその責任者として取りまとめて欲しいと言われた(ハワイに居るときで,帰国も間近なときあった)。

  • 使命感や責任感、教育的愛情等に関する事項
  • 社会性や対人関係能力に関する事項
  • 幼児児童生徒理解や学級経営等に関する事項
  • 教科・保育内容等の指導力に関する事項

 これに対して何ができるかを「使命感」チームと名づけ,小原先生,呉屋先生,楠山先生と案を考えた。おそらく,教職実践演習で困っている大学も多いと思うので,ここでその案を公開したいと思う。与えられたのは90分×3コマである。クラスはこれも文科省の指導に従い,20名程度で編成されている。4人が担当で3クラスが同時並行で進める形となった。

  • 1時間目:グループディスカッション
    • 4グループ程度に分割し,それぞれテーマを与えて議論させた(以下は例で,教員採用試験の過去問から抽出)。
      • 自分の指導を聞かない児童・生徒に対してどうしますか。
      • 子どもに自分の知らないことを質問されたとき、どう答えますか。
    • この後,発表させ,こういうテーマを参考としながら,自分たちが現職の先生に聞いてみたいことをあげさせた。それを3時間目までに自身で実際にインタビューしてきてもらうようにした。
  • 2時間目:ロールプレイ
    • グループ毎において,違う教育場面をとりあげて,それについてどう振舞うか,教師役と児童・生徒役を設定し,台本を考えさせた。(なお,このテーマはオリジナルで小原先生に考えてもらい,かつどのような学生の振る舞いが出そうかという予測もしてもらっていたので,なれない僕でもある程度安心して,進めることができた)以下はテーマの一部。
      • 子どもが体調を崩しました。しかし,今日養護教諭は出張で不在です。どのように対応しますか?
      • 席替えをします。前回はとてももめました。どうしましょうか?
    • 実際に実施してもらう。大体5分から7分程度。私のクラスでは4グループで実施。
    • 各グループ毎のロールプレイについては,付箋に「良かった点」「改善したほうが良い/その他の可能性」について書いてもらい,用紙にはったうえで,各グループに渡した。それを次の時間までに個人でまとめてきてもらうことに。

3時間目:まとめ

  • 前時のロールプレイの振り返りをグループ内で共有し,各班が発表。
  • 1時間目に課題として設定したインタビューをグループ内で紹介し,まとめたものを発表。
  • 時間があれば,使命感や教師の資質について考えさせたり,まとめなど。

まだ課題も残ると思うが,与えられた条件の中で仕事をある程度全うできたのではないかと思う。この授業作りでは,小原先生のアイディアがなければ成立しかなった。また,やはり並行してやっているとそれぞれのやり方が異なってくるので,呉屋先生や楠山先生のクラス内での実施方法が自分のやり方の改善につながった。限られた時間の中で,うまく協力できたと思う。反省会はまだであるが,チームの先生方には感謝したい。

教職実践演習自体については,これとは別に私自身の意見があるので,別途書きたいと思う。