学校教育におけるインストラクショナルデザイン

インストラクショナルデザイン研究の第一人者である鈴木教授(熊本大学)を代表とする科研の打ち合わせがあった。
半年に1度,メンバーが集合し,進捗状況について報告をしている。私の担当は,著者のひとりにもなっている「授業設計マニュアル」の活用について。本書を利用して授業をする際に,どのようなことを注意しながら実施すればよいのかを模索している。
これまででいけば,具体的な事例の不足という点がある。おそらく,いくつかの教科のものを準備しないといけないと思っている。具体的な指導内容でいけば,課題分析の部分があげられる。今のところ,もっとも学習者がつまづきやすい点ではないかと思っている。それは,日本の教育文化,環境において,普通の授業づくりにおいて,あまり考えなくてもよいように仕組まれているからだと私は考えている。議論をしている中で,課題分析をどこまでさせるのか,初心者とエキスパートでは,どのようなタスクを課すのがよいのか,などについていくつか新しい考えをつくり上げることができたように思う。授業等で,口に出して言っていたり,考えてきたことがだいぶ整理され,それは間違っていなかったことを認識することができた。取り組む時間がなくて,あまり成果を出せていないのだけれども,自分の研究だけではなく教育とも関連するので,とてもよい機会となっている。なんとかよいアウトプットにつながるように,努力したい。
ところで,本科研には連携研究者として参加をしている。私ともう1名を除く他のメンバーは,鈴木研で研究を進めてきた方たちばかりである。チーフである鈴木教授を中心とした,メンバーとの協働性は,それこそ私の今まで体験してきたものと文化が異なるように思う。研究内容に直接は関係ないかもしれないが,これもまた勉強になっている。