社会貢献

指導助言,免許更新講習等で28本と減らすつもりの仕事がさらに増えてしまった。しかし,西有田中,多久西渓校,鳴見台小,芝谷中など,継続して通えるところが増えた。芝谷中は2年度目の集大成を迎え,個人としてはそれなりに出来たのではないかと思っている。これらの学校では,助言としてはこれまでの研究を多少活かせるようにはなったと思う。ただ,もっと積極的に関わらないとさらに自分の成長にはつながらないように思う。その他,大学院省察のコミュニティのプログラム編成や進行を務め,それなりの成功を収めたと思う。加えて後期は学部長裁量経費による附属中との連携を行い,2月には研究会を開くことができた。あと,LTEという長崎の現場での研究会をはじめた。これはまだまだであるが,8回実施できた。これらのように,ただ人のつながりが増えていくだけではなくて,それを活用することができた1年であった。研究につながると良いのだけれど。
振り返ってみると,安定して1年を過ごすことができたと思う。アウトプット量が少ないが,そろそろいい年齢にもなってきたし,仕事も増えてきているので劇的には改善されないと思う。量はコツコツためていき,そろそろ質的な向上を図りたい。これまで,1年単位で必死に成果を出そうとしてきたが,5年,10年の長期的な視野に立ってものごとを考えることも重要だろうと思う。
2014年度はかなり大変で,変化も大きいことが予想されるが,これからも頑張っていこう。

教育

教職大学院が始まった2008年度から5年が経過し,ようやく授業が概ね固まった感じがする。どれもそれなりのプログラムが組めたように思う。学部の授業においても,ある程度完成度を持ったプログラムをこなすことができた。一方で,卒論指導は人数は2名と少なかったが,かなり手を焼いた。さらに早い準備と指導の改善が求められよう。3年生のゼミは後期は私の研究の取り組みに近づけた。どのグループも研究室としての取り組みに貢献してくれた。非常勤は長崎外大を3年続けたが,本務多忙につき来年度はお断りした。

研究

ショートレターであるが,査読付論文を1本出せた。この他共著で3本。少なくとも毎年筆頭で1本出せるようにしていきたいところである。がんばれば,あと1本投稿にこぎつけられたと思う。著書は2本,依頼原稿は1本。国際会議での発表は1回,研究会での発表は1回,学会での発表は3回と量としてはこんなところだと思う。この他,大学院生が頑張って,学会で発表をしたり,紀要にまとめたりしてくれたので,ひとつの形にはなってきたと思う。

色んな方を講師としてお招きして

振り返りモードで…今年度は色んな人に来ていただいた。夏の省察のコミュニティでも色々とお世話になったが,その成功に味をしめて。
2月には,学部長裁量経費の研究活動の一環として,静岡大学の益川先生にお越しいただいた。学習科学の立場から,21世紀スキルに代表されるような学力の育成,それを実現させるための協働学習やICTの活用についてお話いただいた。附属中学校は全員,附属小からも多くの先生方におこしいただいた。次年度からの研究に活かしていただければと思っている。もちろん,この他にはワークショップなども行い,有意義な研究会となった。
3月には,藤木科研の打ち合わせに東京大学の池尻先生にお越しいただき,歴史学習やゲーム学習の立場から教材をどのように設計するかについて,お話いただいた。やはり平和学習は中でも難しいとのこと。私がこれまで考えていたこととは相違なく,理論的な裏付けもできたような感じであったが,実行に移すのが難しいところである。私たちのやっていることにそって池尻先生にはお話いただけたので,これもまた有意義な会であった。
私個人でもお二人にうかがいにいったりして勉強はできるわけだが,このような形で来ていただければ,他の人も情報を共有できて,議論も進むというメリットが有るように思う。自分のことだけではなくPLC(専門的な学習共同体)を少しは意識するようになったかな。グループで研究を進める際のひとつの手立てかと思う(特に交通費等がかかる地方においては)。
お忙しい中,うちに来てくださるみなさんに感謝申し上げます。ありがとうございました。

ICT活用に関する教員免許状更新講習のカリキュラム検討

「現代的な教育課題に対応するための実践的な講習内容・方法の研究開発事業」の打ち合わせに参加した。ここでは教育学部の藤本教授,倉田准教授が中心となってICT活用をテーマとした教員免許状更新講習のカリキュラム開発が試みられている。来年度には,実際に講習が行われる。
昨日は単年度の事業ということで,まとめの会が開かれた。会議においては倉田先生が中心となって作成されたカリキュラムやその資料等が議論をされた。いくつか改善のための視点を提供させていただいたが,倉田先生がこれまで時間をかけて丹念に準備をされてきた様子がうかがえた。この事業には県教育委員会や県の教育センターの先生方も入られているが,多くの方が参加を希望されるのではないかと思うし,してほしいということをおっしゃっていた。
シラバスは,すでに公開されているので,このページをご覧頂きたい。選択領域のひとつとして5月24日(土)に実施されるとのこと。該当者の方は受講を検討していただきたい。なお,担当者は倉田先生と1月から着任された新任の瀬戸崎先生が担当されることになっている。先着20名とのこと。Webによると,まもなく申し込みが開始されるようです(が私にはよくわかりません)。

「話すだけ」スタイルの脱却に向けて

久しぶりの更新(今年はじめて(^_^;))
年明け後,特に今月は一時に集中し,学校現場を訪問することになった。

  • まず1月は,長崎県教育センターにおいてICT活用に関する講演を行った。2本の事例紹介をはさみ,ICT活用を進めていく際の考えるべきことについてお話する機会を得た。現在長崎ではモデル校を設置しているが,ここまでICT活用熱が高まるとは思っていなかった。セミナーでは,事前の調整に時間がかかり,準備も不十分なものとなり,当日の時間も延びてしまい,ご迷惑をお掛けした。主催ではないが,セミナーの運営も考えさせられた。
  • 2月は,これまでパナソニック教育財団の特別研究指定校である芝谷中学校に足を運んだ。2年間の研究が一区切りついた。今後助成を受けるわけではないが,これを来年度どのように発展させていくのかについて注目したいし,取り組んでいただきたいと思う。小中連携などが始まるようなので,そういうものとうまくつながってくれればと思う。長期的に同じ学校に参加させていただく中で,外部講師として考えさせられることが多かった。反省点は,自分も今後に活かしたいと思う。なお,本校の取り組みのプロセスは,このページにまとめられている。中学校のひとつの取り組みの参考になると思う。
  • なんと,長崎市の高校の初任研に呼ばれた。着任当初は予測できなかったことである。約10名の初任の先生を前に,ICT活用についてお話をさせていただいた。授業技術が大事でそのひとつとしてとらえることの重要性を強調した。情報モラルについては,同僚の倉田伸先生にお願いをした。将来,長崎で情報教育実践のリーダーシップをとってくれると思う。
  • DISプロジェクト校2校も継続的に訪問をしている。長崎市の鳴見台小学校では,社会科の授業の公開。自分が調べている国について,グループで2枚の画像を選択し,それをコラボノートに貼り付けて,説明をするという単元の授業。実施された先生の意図を確認しながら,学習活動としての妥当性や協働学習として検討しないといけない点についてまとめた。回を重ねるにしたがって,色々と考慮された授業になっていると思う。多久市の西渓校では,まとめの会議に参加した。福岡のDIS校の先生方が参加され,事例を紹介されていたので,西渓校の先生方も参考になったと思う。考えられた研究会だったと思う。私からはスキルの議論は最低限に留めること,研究として進めるのはあくまで協働学習ということで,事例をより豊かにしていきましょうということをお話した。いずれの学校も,来年度はさらによい実践が生み出されることが期待されるし,実際に期待もできると思う。

以上のような関わりを持ちながら,外部から参加する自分は,どちらかと言うと学校の意図を汲み取り,それに応じた関わりをしている。すなわち「求められたことを誠意を持って行う」ことにしている。しかし,ある程度工夫はしているものの「話すだけ」スタイルも多く,少し消極的すぎるかなとも思っている。もう少し時間をかけて(これが難しいところだが),会の進め方・実施の仕方に提案をしながら進めていかないと学校研究としての発展には貢献できないのではないか,という気がしている。